本の魔力
僕は昔から本が好きで、現在、部屋が本で溢れてきている。
本棚に入りきらない本は押入れへ、押入れに入らない本は
床に積み上げて、という感じで少しよろしくない。
一度ブックオフで300冊ほど売り、ライターを目指している
友人に50冊ほどあげたのだけれど、減っていると感じられない。
多分今は2000~3000冊ぐらいあるんだろう。
近いうちにかなり処分したいと思っているのだけれど
なかなか執着があって処分できない。
多分頭があまり良くないので、自分に本当に必要なものが
分からないのだ。
だから不必要な本も買ってしまうし、なんか執着が湧いてしまったりする。
本を処分する参考にするために「蔵書の苦しみ」岡崎武志を読んだ。
岡崎氏は古本ライターのようだ。蔵書数3万冊。すごい量だ。
本書では本に愛着があるゆえに苦悩する人々の様子が描かれている。
僕のような他の人より少しだけ多く本を読む人間でも、本に対する
執着の部分で共感するところがある。
本書で紹介される人々は規格外で、蔵書が床をぶち抜いてしまったり、
大切なコレクションが火事で灰になってしまったり、悲喜劇の様相を呈している。
なにかの蒐集に人生をかけるのは他人から見ると滑稽である。
井上やすしの蔵書数13万冊はいくら作家とはいえ狂気の沙汰だろう。
しかし本には人を精神的にも物質的にも縛り付けてしまう魔力がある。
これは同じ「病気」にかかっている人には分かると思う。
読んで参考になった事は、かならずしも蒐集家=読書家では無く
真の読書家は再読に値する本を少しの量だけ持っているという事。
そういう人は自分に必要なものが分かっている頭の良い人なのだろう。
一方で蒐集家は妄執に自ら囚われ、それを楽しむという変わった人達だと思う。
僕は蒐集家は目指していないし、そんな甲斐性もない。
ただ少しずつ増えてきた本を処分したいのだ。
500冊ぐらいに出来たらいいな。